ぷんギターズ Blog

ぷんギターズ【公式】のブログ。アコースティックギター、ヴィンテージギター、好きなことをぽつぽつと。ピエール・ベンスーザン、ジェイソン・ムラーズ、森山直太朗、ジュリアン・ラージが特に大好物

続・はじめてのMartin(古材化処理VTSに想うこと(前編))

 2017年が始まってまだ間もない中、Martinより、早くも今年新たに投入されるAuthenticモデルが発表された。

 

f:id:punsusan:20180929153852j:plain

Martin 000-30 Authentic 1919
 
材は、トップにはVTS処理(Vintage Tone System)されたアディロンダックスプルース、サイド・バックにはマダガスカルローズウッドという、Authenticシリーズでは定番の組み合わせとなっているようだ。
 
なおこのギターは、1919年に2本のみ製作された000-30のレプリカとして位置付けられており、ボディーの板が通常よりもかなり薄くなっていたり、トラスロッドが入っていない無垢のマホガニーネックになっていたりと、オリジナルに限りなく近づけた仕様になっているらしい。きっとギター自体が物凄く軽くて、ひとたび爪弾けば、ボディー、ネック全部を震わせながら、軽やかな音色を奏でるのでしょうね。最近12Fジョイントの魅力に目覚めた僕としては、見逃せないモデルとなっているのである。
 
残念ながら、まだ音色が聴ける動画などは見当たらないが、きっと近いうちには出てくるでしょう。間違いなく、また魅力的な選択肢がひとつ増えてしまったわけで、嬉しいような、悩ましいような。
 
 
 

さて少し話は変わるが、この新たに投入されたオーセンティックもそうであるように、最近のマーティン製品では、お値段のお高めなギターにおいては特に、VTS処理されたスプルースが使われることが多くなってきている。

 
VTS処理とは、大雑把に言えば、シトカスプルース、アディロンダックスプルースなどのトップ材/ブレーシング材を、高温・高圧・無酸素状態の窯の中に一定時間さらすことによって、強制的に木材を古材化、つまり何十年も前のヴィンテージギターと同じような、いわゆる“枯れた”状態の材を作り出そうという試みである。
 
実際、いわゆるゴールデンエラの頃のギターのような素晴らしいヴィンテージトーンをどうにかして新品のギターで生み出そうとする目的においては、このVTS処理の効果はてきめんのようで、これによって音抜けがよくなり、倍音感にもよい影響をもたらしているようである。
 
ここで、その効果が比較的わかりやすい動画があったので、ご覧いただきたい。
 
 
確かにVTS処理されたギターの方が、いわゆる枯れた、抜けのよい、かっちょええヴィンテージトーンが出せているように思う。新品とは思えない鳴り方ですよね。
 
とはいえ、VTS処理されていない方のギターの音色が劣っている、あるいは魅力がないかというと、決してそんなことはない。確かにヴィンテージギターのトーンに近いかどうかという比較軸のみを持ち込めば、やはりVTSの方に分があることは認めざるを得ない。しかし逆に、倍音感の艶っぽさ、瑞々しさみたいな視点も含めて比較すれば、これは結局個々人の好みの問題なのであって、むしろ僕個人としてはnon-VTSの音色の方が実は好みだったりする。実際、僕の“はじめてのマーティン”はまさしくこの動画に出てくるD-28 Authentic 1941 (non-VTS)そのものであり、僕は昨年の時点で既に生産終了となっていたnon-VTS仕様のものを、“あえて探して” 購入したのですから。
 
ちなみにこの“古材化処理”はマーティンだけに限った取り組みではなく、YAMAHAであればAREシリーズ、ギブソンであればtorrified材(焙煎された材)として既に製品化、コリングスでも最近登場したトラディショナルシリーズで同様の試みがなされており、いわばアコギ界ではひとつの大きなトレンドになっているのである。
 
 
 
 
こうやって聴いてみると、それぞれ異なるメーカーのギターではあるけれども、古材化処理を採用したギターの音質傾向には何かしらの共通点があるように聴こえます。それぞれヴィンテージ感の香るカラッとした音色!やはりテクノロジーの進化は素晴らしいわけであります。
 
 
 
 
ただ、
 
ただね、、、
 
個人的には正直、なにかちょっとモヤモヤするものがあったりもいたしまして・・・。
 
 
(続く)