ぷんギターズ Blog

ぷんギターズ【公式】のブログ。アコースティックギター、ヴィンテージギター、好きなことをぽつぽつと。ピエール・ベンスーザン、ジェイソン・ムラーズ、森山直太朗、ジュリアン・ラージが特に大好物

ASK価格のギターに挑む(中編) - 1954年製 Fender Telecaster オリジナルブラックガード -

僕が初めて買ったヴィンテージギターは、1941年製 Martin 000-18です。
 
そしてこのMartin 000-18、初めて手に入れるヴィンテージギターなのに、実物も確認せずに、無謀にも海外ショップから個人輸入するという暴挙に出たわけですが…
 
 
 
様々な幸運にも恵まれて、無事に手元に届いたのは今年の6月のことでした。
 
 
 
そこからはもう、案の定、すっかりヴィンテージギターの魅力に取り憑かれてしまい、今度はエレキギターのヴィンテージ…。
 

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1954年製 Fender Telecaster
 
あぁ…この道。
これまで何人、何十人、何百人が歩いてきたのだろうか…。そして何人、何十人、何百人が屍となっていったのだろうか…。
 
 
 
…コワイコワイ (>_<)
 
 
 
そして今回、その怖さを更に増幅したのは…
 
エレキギターのヴィンテージは、ホンモノを見分けることが非常に困難である
 
…という事実。
 
特にFenderのエレキギターは、ボディとネックを簡単に取り外しできるボルトオン方式ですから、肝心のネックやボディそのものですら、それらが本当にオリジナルなのかどうかを判断するのが極めて困難…という、非常に恐ろしいギターな訳です。
 
ということは、更に容易に交換できてしまうボリューム、トーンなどのノブ類や、ブラックガードと呼ばれる所以の黒いピックガード自体が本物かどうかなんて、はっきり言って素人の僕が判断できるはずもないわけで…。
 
 
まぁもちろん、この道のプロの方であれば、簡単にバラせるFenderギターであっても、ホンモノと偽物を見分けるのはさほど困難ではないのかもしれませんが、僕のようなド素人にとっては、はっきり言って右も左も全くわからない世界。ガクガクブルブル…。
 
 
もし、こんな不安定な精神状態でヴィンテージギターショップなんかに行こうものなら、『ボクはカモネギ…ボクはカモネギ…』と呪文のように呟きながら店内を徘徊すること必至。
 
あまりに警戒し過ぎて、ショップの店員さんたちの誰もが皆、親切そうな顔をしてるけど本当は僕を騙そうとしてる悪魔に見えてしまうに違いない…。
 
 
 
話してるときはとっても優しい笑顔だけど…
 
ふとショーウィンドウのギターを見ようと僕が背を向けたその瞬間…
 
『こいつはシロウトの鴨ネギ。どんなニセモノを掴ませてやろうか…!ヒヒヒ』って…
 
獲物に近づく吸血鬼のような顔になってるに違いないんだ…そうに決まってる!
 
 
うわぁぁーーん!
コワイヨコワイヨーー!!
 
 
 
…。
 
 
 
この状態を打破するためには、一体どうしたら?
 
まずなにより、少しでも知識を身につけなければなりません。一夜漬けでもなんでもいいから、とにかく最低限の目利き力を自分でも身に付けないと、なにも始まらないはず…。
 
 
 
そうだっ!
ボク、がんばって情報武装して…
とにかく強い子になるんだ!!
 
 
 
 
ということで…
まずこの本を手に入れました。
 

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The Authority of TELECASTER
(2,160円 / シンコー・ミュージック)
 
 
この本はオリジナルブラックガードの代表的な特徴が分かりやすく書かれていて、入門編としてはもってこいでした。そして、ブラックガードだけでなく、それ以降の様々なテレキャスターが年代ごとに紹介されていて、ブラックガード以外のテレも欲しくなっちゃうというおまけ付き!!
 
 
ふむふむ。
これで知ってて当たり前レベルの知識は身につけたぞ!
 
 
 
…でも、これって誰でもすぐに調べられるレベル過ぎて、これだけでヴィンテージギターショップに単身突入するには、あまりに準備不足な気がします。
 
 
 
そこで、更なるブラックガードの知識向上を求めて、他にも何が情報源がないか探しました。なかなか良い物は見つからなかったのですが、ふとしたキッカケから、物凄い本が存在することを知ったのでした。
 
そのキッカケとは、ジュリアン・ラージのインタビューが載っていた雑誌記事の一部です。
 

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この記事によると、ジュリアンはnacho guitarsというブラックガードレプリカのギターを愛用していて、今年初めの来日ライブでも使っていたというではないか。そして、そのnacho guitarsを製作しているのがNacho Banos氏。いったい何者なんだこの人は?
 
 
 
 

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Nacho Banos氏(Nacho Guitars 創業者)
 
 
…めっちゃイカした、スペインのおっさんでした!笑
 
 
 
調べてみると、彼はもともとブラックガード期のテレキャスターのコレクターだったようです。その後、ブラックガードテレキャスターが好きすぎて、ブラックガードのレプリカギターを製作するnacho guitars(スペイン)を創業した挙句に、ブラックガードに特化した専門書を出版するまでに至った、まさしく世界一の権威!
 

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nacho guitarsのブラックガードレプリカギターと、専門書『The BLACKGUARD』(写真下側)
 
 
 
この専門書『The BLACKGUARD』、どうやらnacho guitarsのブラックガードレプリカギターを購入すると、上の写真のようにもれなく付いてくるようなのですが、単品で探すと、なかなか売ってるところが見つかりませんでした。
 
 
そして探しに探してようやく見つけたのが、なんだか怪しいマレーシアのギターショップ(笑)。
 
とりあえず問い合わせして、少しメールでやりとりしてみたところ、思いのほかまともな対応だったのと、支払いがPayPalで簡単だったこともあって、思い切って個人輸入に踏み切ってみました。
 
 
最近流行りの個人輸入。
前回のツィードハードケースの際には酷い目に遭いましたが…
 
 
 
今回は何事もなく無事に届きましたっ!
 

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こんな感じで、厳重に梱包されています。
 

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更に、まるで高級食器のような真っ白な包装を剥がすと…
 

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まさに百科事典のような分厚さ!!!
 
 

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じゃーーーん!
これが表紙です!!
神々しいブラックガードが、どやぁーっと!!
 
 
 
 
 
そして肝心の中身ですが…
 
 
もうこれほんと、凄すぎます!!!
 
 
1950年から54年まで製作されたブラックガードテレキャスターに完全特化!製作された年ごとの仕様の特徴が詳細に記載されています。塗装の特徴から、ボリュームノブの特徴、使用されたコンデンサー、シールドを刺す部分の金具の特徴まで…。本当になにからなにまで全部、しかも写真付きで詳細に解説されているのです。
 

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年代ごとのノブの種類の違い…。
 
 

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年代ごとに何本かの実物のスペックも詳細に解説されています。
 
 

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当時の製作風景から…
 

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人類史上初のエレキギターの発売当初の新聞広告まで載ってます。ちなみにこのテレキャスター、発売当初は“Broadcaster”という名称で発売され、後に商標問題により“Telecaster”に名称変更された経緯があるので、写真の記事にはまだ“Broadcaster”で出てますね。
 
 
それにしても、本当によくここまで調べたなぁと感心しきり。400ページ超のボリュームはダテではありません。
 
ただしお値段も専門書価格で、4万円近くしたような…(記憶が曖昧)。まぁこれで勇気を持って、ブラックガード購入に向けた一歩が踏み出せると思えば、必要な投資だということで…。
 
 
ちなみにこの本、注文は間違いなくマレーシアのショップにしたのですが、そこから実物を保管しているお店に連絡をしたとのことで、結局、本の発送元はスペインでした。もしかしたら、nacho guitarsに直接問い合わせれば、個人でも直接購入できるのかもしれません。もし興味がある人は試してみてもいいかも…。(ただし自己責任でお願いします!)
 
 
さてさて長くなってしまいましたが、今回の記事はここまで。
 
 
次回最終回は…
 
こうして少しばかり情報武装をした僕が、いよいよ遂に、実際のヴィンテージギターショップに突撃!
 
…というお話です。
 
 
(続く)