ぷんギターズ Blog

ぷんギターズ【公式】のブログ。アコースティックギター、ヴィンテージギター、好きなことをぽつぽつと。ピエール・ベンスーザン、ジェイソン・ムラーズ、森山直太朗、ジュリアン・ラージが特に大好物

ジュリアン・ラージ & クリス・エルドリッジのアコースティックギターに魅入られて - LIVE @コットンクラブ東京 2017.11.12 -

いやはや。

 
ちょっとね…うん…
とにかく時間がかかりました。
 
 
興奮というより…慟哭。
 
感動というより…陶酔。
 
 
 
『魅入られる』とは、まさしくこういう状態を言うのでしょう。
 
 
 
いや別にね、前回記事で『魑魅魍魎が跋扈』という言葉を取り上げたのに味をしめて、新たに“小難しいけど一度は使ってみたい日本語” っていう連載記事を始めたわけでもなんでもないのですよ…。
 
ただとにかく、
 
慟哭
→→陶酔
→→→→魅入られる
 
っていう三段オチで、すっかりあっちの世界にブッとんでしまった僕が、なんとかこっちの世界に戻って、ブログ記事に書き起こそうと思えるような正気を取り戻すまでに、丸々1週間かかってしまったわけです。
 
 
 
…というわけで、
 
行ってまいりました!
 
時は…2017年11月12日の日曜日。
場所は…東京駅すぐ近くのコットンクラブ。
 

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待ちに待った Julian Lage & Chris Eldridge の2人による完全アコースティックライブです。
 
 
更に今回のライブ鑑賞はあの恩人とご一緒!
 
そうです。僕がジュリアン・ラージが好きすぎて、ジュリアンの愛機と同じスペックのMartin 000-18(1941年製)を個人輸入した際に、めちゃくちゃお力添えをいただいたワタナベ楽器 京都本店のカリスマ店員Sさんが、わざわざ京都から来てくれたのでした。うれちい♡
 
 
入り口付近でSさんと合流して、早速店内に入ると…
 
ステージ上にはマイク一本のみ。それをハの字型に囲むような形で、2人向き合って演奏するというめっちゃ男前なセッティング。これぞ問答無用のアコースティックライブですな。
 
 
 
 
さてさて。
開演まではまだまだ時間があるので、ビール片手にギター談義です。先ほどの000-18の話やら、ちょうど今現在ワタナベ楽器さんにリペアに預けているケビンライアン (ベンスーザンモデル)の話やら、はたまた、先日ワタナベ楽器さんが正式に取り扱いを開始され、めでたく一本目の入荷となったCollings OM-2Hトラディショナルの絶賛話などで、開始後5分とかからず大盛り上がりとなる中、行き着く先は当然このギターの話になりました。
 

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Collings OM-1 Traditional Julian Lage Signature Model
 
 
アメリカ本国では既に発売が開始されているものの、軒並み即日売り切れ状態の大人気Collings ジュリアン・ラージ シグネチャーモデルが、いよいよ年内には日本に入荷予定とのことなのです!ひえーーー!ヤバイよヤバイよ!
 
 
と、ここでわたくし不意に、
 
●ボク
『そういえば、トーラスコーポレーションさん(※Collings の日本国内代理店)の方とか、もしかしていらしてるんじゃないですか?』
 
●Sさん
『あー、たしかに!いるかもですねー。』
 
 
(周りをキョロキョロ見回す)
 
 
『あー、ほんまおるやん、おるやん!!!笑』
 
 
 
なんと、ちょうど僕ら2人の目の前を、Sさんには全く気づかずに横切ろうとしたその方こそが、トーラスコーポレーションの代表取締役の方でした!なんという絶妙なタイミング!笑
 
 
僕はトーラスさんとは面識などありませんから、軽い会釈を交わした後は、トーラスさんとワタナベ楽器Sさんとが繰り広げるCollings トークに大興奮!聞き耳立てずとも丸聴こえの距離なのに、ここはあえて無駄に耳ダンボ!!!
 
どうやら、出来ればこのジュリアン来日ライブに間に合わせて入荷したかったようですが間に合わず、でも今月11月末頃に本国アメリカから日本に到着するギター達の中に、何本かはジュリアンモデルを混ぜてくれるらしい…というような話で…。
 
もう横で聴きながら、ニヤニヤ顔を隠すのに必死なボク。あと2〜3週間で、あのcollings トラディショナルシリーズのジュリアンモデルが日本国内にやってくるですと…あわわわ。
 
ちなみに、他にも耳寄りなコリングス情報の盗聴に成功しましたが(笑)、さすがにここでは控えます。とにかくみなさん、今後のコリングスの展開に目が離せませんよ!!
 
 
そんなこんなしてるうちに、遂にふたりが登場。2人とも礼儀正しい爽やかな好青年。ジュリアンはやはりコリングスのシグネチャーOM、クリスもコリングスのドレッドを抱えています。
 
そして挨拶も早々に、2人見つめ合いながら、ワンツースリーの掛け声とともに心地よいギターサウンドが会場を包みます。
 
 
 
写真はコットンクラブのFacebookより。
 
 
もう凄すぎて、素晴らしすぎて、言葉がない。一曲目からとにかく圧巻に次ぐ圧巻で、曲が終わる度、ボクは文字通り天を見上げてしまいました…。
 
言葉で伝えられないのがわかっているので、伝える気にならないのだけれど、そこをなんとか無理矢理に書いてみますが…
 
 
まずは、Chris Eldridge 。
 

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いかにもアメリカの気のいいお兄ちゃんって感じの風貌どおり、この人とってもいいですよ。正直生で聴くまでは、ジュリアンのパートナーくらいにしか思えていませんでしたが、今回のライブを聴いてとっても好きになりました。
 
かつてトニーライスに師事していたというだけあって、やや高めに構えたギターから繰り出されるリズムワーク、ソロ共に安定感たっぷりで、しかも彼が生み出すグルーヴ感が素晴らしいのです!Collings のマホガニードレッドもいい音してます。トラディショナル・シリーズかな?
 
更になんと言っても素晴らしかったのが歌声。家でCDを聴いていた時も十分良かったのですが、生歌サイコー。上手いだけでなく、太くて落ち着いた声が心地いいんだよね、ほんと。ぜひこの動画を聴いて、癒されてみてください。
 

Someone to watch over me / Julian Lage & Chris Eldridge
 
ちなみにこの曲、今回のライブでもやってくれてましたが、ジュリアンのギターの生音が一番良く聴こえた曲でもありました。
 

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しっかしね、ジュリアン・ラージ。やっぱりトーンモンスターでしたよ…。
 
 
すんごいんだってほんとすんごいの!!
 
 
柔らかく暖かいサウンドから、キレのあるシャープなサウンドまで、一本のギターから繰り出されるサウンドは自由自在。
 
もうね、ギターが上手いとかフレーズセンスが凄いとかもはやそういうレベルじゃなくて…彼が奏でる音楽そのものが、ボクの魂になにかを強く訴えかけてくる。昂ぶったり、切なくなったり、嬉しくなったり、物哀しくなったり…。
 
 
この圧倒的なスケール感で、己の魂そのものに直接訴えてくるこの感じ…。これ、いつかどこかで感じた“なにか”と似ているなぁと、ライブ後ずっと考えていたのですが…
 
あれから一週間たった今、ようやくその似ている “なにか” がわかりました。
 
 
 
 

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システィーナ礼拝堂 / バチカン市国
『最後の審判(ミケランジェロ)』
 
 
20年ほど前に、一度だけ訪れたことのあるシスティーナ礼拝堂。そこで見た壁一面の絵画、正面にはかの有名なミケランジェロ作の『最後の審判』が飾られ、その中央にはキリストの姿。
 
 
先に言っておきますが、ボクは無宗教者です。
 
 
しかるに、システィーナ礼拝堂で沢山の絵画に囲まれていたときも、お恥ずかしい話、それほど多くの予備知識もないままに、ただただ天井を見上げていました。
 
 
 
日頃は神様の存在なんか考えてもいないクセに、なにかお願い事がある時だけうやうやしく神頼みするようなお調子者のボクですが…
 
そんなボクですら、かの礼拝堂の中央で壁一面の絵画に囲まれて、天を見上げて目を瞑れば、否応なく感じてしまう果てしなく神聖で神々しい、あの“なにか”。
 
 
感動とか興奮とかいう言葉では全然しっくりこない。とにかく訳もなく胸がバクバクするような、感情を突き動かされるような、あの “なにか” 。
 
 
 
もうそれは神の領域、神様の音楽と言わざるを得ないような…
 
 
今回ジュリアン・ラージの演奏をわずか数メートルの距離から見てボクが感じたことは、本当にそんなことでした。
 

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ちなみに僕は、Sさんと一緒に観た12日(日)の1stステージ、2ndステージに加えて、翌13日(月)の1stステージ、2ndステージと、結局、計4ステージも観てしまいました。
 
そして運の良いことに、正面やや後方の指定席でSさんと一緒に観た初回を除いて、残りの3ステージはすべて、ジュリアンが構えたギターのサウンドホールを正面に見ることの出来る最前列で観ることができました。
 
ですので、ジュリアンの右手、左手のテクニックはもちろんのこと、演奏中の彼の表情をすべてを、3回も間近で見ることができました。
 

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そんな中でも一番驚いたのは、最初の曲が始まる瞬間の恐ろしいほどの集中。
 
まず曲が始まったその瞬間、数秒前までにこやかに挨拶していたその目が、急にほんのり赤く充血し、少し潤んでいました。
 
そしてその視線は、確かに相棒クリスに向かっていて、アイコンタクトでリズムを合わせてはいるのですが、充血したその目は決して鋭くはなく、むしろぼんやりと焦点があっていないような、まるで瞳孔が開いてしまっているかのような、とても不思議な目なのです。
 
きっとあの目をみた人は、とてもセクシーな目線だとかそういう言葉を使うかもしれません。確かにあの目線は…いわゆる、イっちゃった目でした。目がうるうるとろんとして陶酔したような、恍惚感溢れるエロい表情です。
 
その後、だんだんと曲が進んでくると、たまにぐっと集中した厳しい表情になったり、にこやかにリラックスして弾く姿も見られるようになるのですが、とにかく最初の一曲目の出だしだけは、どの回のステージでも同様に、いつも“あの目” で、彼の音楽をスタートしていったのです。
 
 
あの目がなにを意味するのか、こればっかりは本人に聞いてみないとわかりませんが、僕にはあれが、彼自身を音楽の世界、つまり神の領域、神様の音楽に身を委ねていくための儀式のようなものに感じました。
 
脳科学的に言えば、普段は使わないどこか特別な脳領域を活性化させるためのルーティンか…。非科学的に言えば、神の領域、神様の音楽に、自らの周波数を合わせるためのチャネリングか…。
 
 
真実はわからないけれど、とにもかくにも、そんなことを感じさせる、感じざるを得ない、僕にとっては衝撃的なアハ体験だったということを皆さんにはお伝えしたかったわけで…笑。
 
 
ちなみにライブの帰り際に、ワタナベ楽器Sさんと僕が、偶然にも口を揃えて呟いた感想は…
 
 
『ギターってああやって弾くんですね…』
 
 
もうこれ以上でもこれ以下でもない。
この動画で少しでもあの感じが伝われば…。よろしかったらどうぞ!
 
Julian Lage & Chris Eldridge
 
 
その他、細かいことで興味深かったのは、2人ともチューナーの類は使わず、耳だけでチューニング合わせてました。
 
ただ、最後のステージでは、ジュリアンがやけにチューニングが合わないと感じていたようで、曲中でも頻繁にペグを回してましたが、さすがに正解の音程が知りたくなったのか、曲間におもむろに音叉を取り出して、耳に当ててチューニングしてました。僕も家ではいつも音叉でチューニングするので、意味もなく嬉しくなったりして…。
 
 
それと彼らのギター!
 
まずはジュリアンのギターをよく見てください。既に発表されているシグネチャーモデルの仕様といくつか異なるところがあるのです。
 

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まず1つ目はヘッドのロゴ。今回のジュリアンモデルでは特別に、これまでの通常のCollingsの筆記体スクリプトではなく、ビル・コリングスが創業した頃に自分で作ったスクリプトロゴが採用されています。最初のCの字が他と繋がっていないのと、最後のSの字が筆記体のSになってるのが特徴です。
 

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でも、先ほどのジュリアンが抱えているギターは通常のコリングスのスクリプトですね。
 
もう一つの違いは、市販スペックではサドルがドロップイン仕様なんですが、ジュリアンの弾いてるのはロングサドル仕様ですね。
 
これらを見ると、きっと今回ジュリアンが弾いていたのはプロトタイプなのでしょう。先日の雑誌によると、今回のCollings OM-1 JL Traditional の開発にあたっては、2年以上の歳月を費やしたそうですから、プロトタイプは何本作られたことやら…想像もつきません。
 
 
次にクリスのギターに注目!
 

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ちょっと小さいのでヘッドの部分を拡大して見てください。
 
ほら!
ジュリアンモデルにしか使われないはずのビルお手製のスクリプトロゴが使われていますよね!?ということは、このギター。市販のトラディショナルモデルではありませんね…。
 
もしや新たなモデルか!?ジュリアンモデルをベースにしたドレッドモデルが発売されちゃうとか!?
 
 
いやー、いろいろワクワクが尽きませんが、まずは期待のCollings OM-1 Tradional Julian Lage Signature Model の初回入荷、楽しみですなー!!
 
ジュリアンみたいに、あんな風にギターが弾けるようになることは一生ありえませんが、ジュリアンとビル・コリングスが魂を削って作り上げたギター、早く手にしてみたいものです。
 
楽しみだ!!!♡♡♡