ぷんギターズ Blog

ぷんギターズ【公式】のブログ。アコースティックギター、ヴィンテージギター、好きなことをぽつぽつと。ピエール・ベンスーザン、ジェイソン・ムラーズ、森山直太朗、ジュリアン・ラージが特に大好物

Jeff Traugott Model R(③細部に宿る神)/ ジェフ・トラゴット

今回はフェチ目線で、トラゴットのギターを隅々まで見てみましょう!
 
まずはトップ材のジャーマンスプルース。
 
 
 
ご覧の通り、魚の鱗のようにキラキラ輝きます。
 

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目の詰まった杢目がびしっと通り、それに直交するさざ波のような杢も綺麗に浮かび上がっています。
 
ちなみに以前の記事でも触れた通り、このボディ右下付近の裏側には、ジェフ・トラゴットが僕のために創ってくれたオリジナルのポエムが記されています。なんてロマンチックなの♡
 
 

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ちなみにロゼッタはブラジリアンローズウッドですね。この飾り気のないウッディなルックスが、個人的にはとっても好きです♡
 
そしてロゼッタから見えるのが…
 

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おしゃれなトラゴット謹製ラベル!
 
ジェフの手書きサインとともに書かれているシリアルを見る限り、このギターはトラゴットが製作した237本目のギターのようですね。
 
更にその横には、センターシーム上に浮いた特徴的な一本のブレーシングが見えますね。トラゴットサウンドを生み出すひとつの秘密がここにあるみたいです。
 
 
 
続いて…
サイドバックのブラジリアンローズウッドは、これまでもたくさんご紹介していますが…
 
 

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自然光の下ではこんな感じです。 
 
 
もう少し近づいて見てみると…
 

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※天井のライトが映り込んでしまっています
 

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とにかく美しいです。うっとりします♡
 
そして例のスパイダーウェブ状のハカランダ独特の杢目がそこかしこに…!!
 

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これね、ほんと一日中見ていても全然飽きません…。しかもハカランダって、なんかあま〜くていい匂いしますからね。たまらんです。
 
 

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続いてブリッジは、まっくろくろすけのエボニーです。黒過ぎて、黒光りしちゃってます。
 
そしてここで気がつくのは、このサドルの高さ。めちゃくちゃ高いですよね。でも弦高は12F上で1.8mm〜2.3mmくらいで、極めて弾きやすいセッテングです。
 
そこで、ネックの反りを見るときのようにブリッジ側からネックを真っ直ぐに見てみたところ、
 
 
…!?
 
 
…反ってる!??
 
 
…いや、反ってない!?
 
 
…でも、、あれれ??
 
 
…途中でフィンガーボード曲がってる??
 
 
 
そうなんです!
 
なんとですよ、ネックジョイント部分の14Fから、フィンガーボードが微妙に角度がつけられて傾斜している、つまりボディーに近づく方向に曲げられているんです。
 
…と言っても、もちろん横から目で見てわかるようなほどには曲がってないですよ。
 

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ほら、写真で見てもわからないですよね?
 
でもね、ブリッジ側からネックを真っ直ぐに見ると、14F付近から指板に傾きがついていることがわかります。
 

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大袈裟に書くと、上の写真の白い線のように指板が曲がっています。つまりジョイント部の14Fよりハイフレット部分はボディートップと指板が並行になっていますが、14Fよりローフレット部分では、ネックがボディートップと並行ではないのです。
 
もしかしたらハイフレット側の指板の厚みを削ってるのではないかと、試しに厚みを測ってみましたが、ハイフレットでもローフレットでも指板の厚みは同じでした。
 
となるとやはり、ボディートップに対してあえて角度をつけた形でネックをセットし、そのままではボディーから浮き上がってしまうハイフレットのフィンガーボードをほんの少しだけ曲げて、ボディートップと密着させているのだろうと思われます。きっとサウンドを追求した結果、こうなったんでしょうね。うむむ、こだわってます!
 
ちなみに主にクラシックギターで使われている Elevated Fingerboard という仕様があるそうなのです。『嵩上げされたフィンガーボード』って意味になるのかな。
 
例えばこんな感じ。ネックジョイント以降のハイフレット部分が、なんだか見慣れない構造になっています。
 

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先ほどのトラゴットは、ボディーのバック方向からネックが刺さるような角度でネックセットされていますが、この写真では逆に、ボディーのトップ方向から刺さるような角度でネックセットされていますね。
 
このような仕様が世の中に存在しているのですから、ネック仕込み角度を変えて、かつ、指板をネックジョイント部分で曲げるようなトラゴット仕様も、ジェフが求めるサウンドを追求する上でなんらかの合理性がある構造だということなんでしょうか?
 
もはや素人にはその仕様がどうサウンドに影響するのか、全く想像もつきませんが…。うむむ、奥が深いぞ!
 
 
さて最後にもうひとつ。
 

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エボニー製のブリッジピンに、なにやら線が彫られていますね。なんとこれ、それぞれ1弦用、2弦用であることを示すローマ数字なのです。
 
そしてギターケースに入っていたジェフによるインストラクションによると、弦交換の際には、古い弦をまとめて全て外してしまうのではなくて、一本ずつ張り替えるように…と書いてありました。
 
うむむ、ジェフったら細部にこだわりまくりです。
 
 
“God is in the details. ”
 
 
『神は細部に宿る』とはよく言ったものです。
 
巨匠、恐れ入りました!!!
 
(続く)
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