ぷんギターズ Blog

ぷんギターズ【公式】のブログ。アコースティックギター、ヴィンテージギター、好きなことをぽつぽつと。ピエール・ベンスーザン、ジェイソン・ムラーズ、森山直太朗、ジュリアン・ラージが特に大好物

はじめてのアーチトップ(⑥ハカランダ似のなんの変哲もない木片を個人輸入)

そんなこんなで、Roy Smeck氏がGibson社に個人オーダーしたと言われている1933年製 L-5をアメリカから個人輸入する一大決心をした僕。
 
 

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この1年くらいで、1941年製 Martin 000-18やら、Jeff Traugott やら、それなりに高価なギターを数本アメリカから個人輸入する経験を積んできたので、こちらで必要な手続きなどはあまり面倒には感じないのですが…
 
 
 
 
今回の個人輸入はいつもとちょっと違いました。
 
 
なぜなら、今回購入先となったアメリカの有名ギターショップ Gruhn Guitarsでは、なんと!
 
 
『ローズウッドが使用されている楽器は、海外には一切発送しない』
 
 
…という鉄の掟が定められているのです。もちろんこれは、例のワシントン条約によって、ローズウッドの輸出には多大な時間と労力がかかるようになってしまったことが影響しているに違いありません。
 
 
ちなみにこのグルーンギターズに限らず、ローズウッドが使用された楽器は一切海外発送してくれない海外の楽器屋さんは、昨今、かなり多いです。それだけワシントン条約に基づくCITESの手続きが厳しいのだろうと思われます。困るぅぅ。
 
 
で、今回ボクが個人輸入しようとしているGibson L-5は、指板がエボニー、ネックおよびサイド&バックはメイプルなので、そこまでは全く問題ないんですが…
 
ブリッジがなんと!
ブラジリアン・ローズウッド製なのです…。
 
 
Oh...No...!!
 
 
そうなのです。ローズウッドの中でも、殊更ダントツに輸出入が厳しく管理されているハカランダが使われているのですよ…。ハカランダが使われていること自体は木材フェチの僕としてはとても嬉しいことなんだけれども、今回に限っては、嬉しさと同時にとても頭のイタイ問題となりました。
 
 
グルーンギターズのセールススタッフさんからは、このギターを最初に問い合わせた時から『ブラジリアンのブリッジは日本には輸出できない。ただ、このブリッジはそもそもオリジナルではないので、同じ形のエボニー製ブリッジに交換して送るので、問題ないさ!』という提案をされていました。
 
実際、Facebookに載っていた、このギターが委託で入荷した際の写真がこちら。
 
 

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ブリッジほっそ!!!www
これは明らかにオリジナルのブリッジではありませんね。
 
 
なるほど、そもそも入荷した時点で既に前オーナーが新しいブリッジに交換してしまっていて、オリジナルのブリッジではなかったということですね。
 
 
そういうことならば…と、
僕も『まぁ確かに、それがオリジナルのブリッジでないのであれば、特に現時点で装着されているハカランダ製のブリッジにこだわる必要はないかもね…』と思ってました。
 
 
 
 
しかーし!
 
 
 
その後に、冒頭の写真の雑誌 Vintage Guitar Magazine 2月号にこのギターが掲載されていて、そこに『ブリッジはブラジリアン・ローズウッド製』とはっきり書かれているという事実を知ってしまったのです。
 
つまり、一般に市販されている雑誌という公な媒体を通して、しかもヴィンテージギターの著名なオーソリティーであるジョージ・グルーンの名前で記された情報として広められてしまっている以上、もはやこのハカランダ製ブリッジがオリジナルではないとしても、現時点であえてまた別のエボニー製ブリッジに交換することは、いろんな意味で得策ではないと思いました。
 
それにあのハカランダ製ブリッジが、見た目の雰囲気的にも、このL-5にとても似合っているようにも思えてきましたし…。
 
 
さぁどうする?
 
 
…。
 
 
 
うーん…。
 
 
 
…。
 
 
 
うーんうーん…。
 
 
 
…。
 
 
 
ピコーーーン!!
※何かひらめいた音
 
 
 
 
僕の答えはこうです。
 
 
●グルーンギターズには、まずハカランダ製ブリッジを剥がしてもらう。そしてギター本体をブリッジ無しで輸出してもらう。これならハカランダを輸出しなくてよい。
 
●そして残されたハカランダ製(かもしれない)ブリッジ単体は、アメリカ国内の僕の個人的な人脈を使って、僕自身の責任で “なんの変哲もない木片” として日本に発送する。これで、ローズウッドは海外発送できないという鉄の掟を持つグルーンギターズの手を煩わせずにすむ。
 
 
 
これは我ながら名案でした。
 
 
ただそうであっても、こちらから代金を振り込んでから、先方がギターを発送するまでに約1ヶ月もかかりました。どうやら、ブロックインレイに使われているマザーオブパールと、フィンガーボードのエボニーの輸出も、CITESほどややこしくはないけれども、別の輸出承認手続きが必要だったらしく、認可が下りるまでに約1ヶ月ほどの日数が必要でした。やはりギターの輸出入手続きは、日に日にどんどん大変になってきているようですね…。
 
 
 
 
…。
 
 
 
そんなこんなで、なんとか無事に届きました!
 
 

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まずはギター本体。よーく見るとブリッジがなくて、金属製のテールピースからボディを保護するために黄色い緩衝材が挟まれています。
 
 

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そしてこちらが苦労して日本に持ち込んだ、なんの変哲もない木片(あれ!?なんかハカランダみたいな杢目!?w)。
 
 
さてさて。
何はともあれ、まずはブリッジ接着してもらわないと…(笑)。
 
 
(続く…)