ぷんギターズ Blog

ぷんギターズ【公式】のブログ。アコースティックギター、ヴィンテージギター、好きなことをぽつぽつと。ピエール・ベンスーザン、ジェイソン・ムラーズ、森山直太朗、ジュリアン・ラージが特に大好物

はじめてのWaterloo( WL-12 Jet Black -後編- )

ビル・コリングス氏が昨年夏に亡くなる直前まで、ジュリアン・ラージと一緒に新たなモデルの開発に取り組んでいた事実をご存知な方も多いかと思いますが・・・

 

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彼らの工夫と努力と熱意の結晶として、昨年秋に発売されたCollings OM-1A JL Julian Lage というニューモデルと、今回新たに手に入れたWaterloo WL-12というギター。

改めてじっくり弾いてみると、このふたつのギターはお互い非常に共通するニュアンスを持っていることがとてもよくわかりました。

 

まず、めちゃくちゃ軽い!これはOM-1AJLをはじめて持ったときも、予想を遥かに超える軽さに驚いてしまいましたが、このメイプルのWaterlooも持った瞬間、ニヤニヤしてしまうほどに軽いです。間違いなく、この軽さがこの2本のギターに共通するサウンド傾向を決めるひとつの重要要素になっているんだろうと感じます。とにかくどちらも新品なのに、最初から軽やかに、朗らかに、そして高らかに大きな音で鳴る・・・っていう印象です。

 

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それから、Collings OM-1 JLの開発においては、もともとジュリアン・ラージが大のお気に入りだったWaterlooの極薄ラッカー塗装を持ち込んだという話は既によく知られていますが、どちらもサテンフィニッシュで、材の導管が浮き出て見えるか見えないかくらいの極薄のラッカー塗装です。上の写真で、天井の照明が反射して、バック材に滲んでいる感じがそっくりですよね。表面の質感はかなり近いものがあります。

 

ただこれについてはさすが元祖(?)といえばいいのかな・・・。

Waterlooの塗装、すごいです!!!

 

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こちらCollings OM-1A JLのネック裏。これでもずいぶん塗装が薄い感じがわかりますよね。もともとサテンフィニッシュですが、それなりに弾いているので、ローポジションは手の摩擦で逆に艶が出てしまっていますね。

 

そしてWaterloo WL-12の新品未使用ネックがこちら!

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見て!!

杢目の凹凸が浮き出まくってます!!

 

これはね、触ってみて、すぐにぴんときましたよ。。。

材はマホガニーとメイプルとで異なりますが、うちの唯一のヴィンテージマーティン、1941年製 000-18の質感とそっくりなのです。

 

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上の2つの写真はMartin 000-18(1941年製)

 

しっかし、この塗装はめっちゃ いいな。。。

 

実は以前から、ラッカーが材に染み込んで一体化したようなヌメっとした質感が、ヴィンテージ独特のサウンドを生み出すひとつの要素なんじゃないかと思っていたのですが、このWaterlooの塗装は、新品の段階で既に僕がイメージしていたヴィンテージ独特の「ラッカー染み込み塗装」みたいな質感がそのまま表現されているんです。。。

 

やはり恐るべし、ビル・コリングス…。

 

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このWaterlooのトップ材は、僕としては初体験のブラック塗装なのですが、これもかなり薄い塗装で、肉眼ではうっすら杢目が見えます。当然黒くするための塗料というか、なんらかの顔料が使われているはずなので、ナチュラル塗装とはちょっと違うサウンド特性を持っているかもしれませんが、その違いを聞き分けることは僕にはできないと思います。

 

あ、あとトップは「Spruce」としか規定されていないので、詳しい種別は不明です(笑)。じっくり見ると、それほど目は詰まっていない感じですが、綺麗にまっすぐ整った杢目ではありました。

 

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そしてボディーサイズ。Waterlooはショートスケールなので、ボディーも小さくなってくるわけですが、このWL-12は12フレットジョイントなので少し縦長な分、写真のとおり、ボディーの縦の長さはCollings OM-1A JLとほとんど同じですね。少しだけ上のほうの幅が絞られている分だけ、少しだけWaterlooのほうが小さいですかね。

 

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ただその分、ご覧のとおり厚みがあるんですよね、Waterloo。これで結果として、ボディーの容積はほとんど同じくらいなんじゃないでしょうか。

 

 

そして肝心のサウンド!

 

 

うーむ、これはね、とっても気持ちいいです。

軽いです、軽く弾くだけで鳴ります。

そして、音の輪郭がしっかりしています。

単音でも、コードを弾いても、サウンドが滲まない。

とにかく弾いていて気持ちがいいのです。

そしてギターの匂いもとてもよいです。(←ここ大事)

 

ボディーの厚みのおかげか、ローエンドも十分出ているし、メイプル独特のミッドが強調されたような芯のあるサウンドは、完全に僕の好みの領域です。そして、やはり軽さとバランスの良さが効いているのでしょう。高音域の抜けがめちゃくちゃよい。芯が細くならずにパリーンと粒立ちよく鳴る感じは、メイプルの美味しいところでもありますね。

 

先日購入した同じメイプルのアーチトップGibson L-5(1933)でも感じましたが、マホガニーよりもメイプルのほうが音の粒がそろうような印象ですね。少しコンプ感があるというか、上にも下にもリミッターが効いていて、音質やボリュームがある一定の幅の中に自然に納まってくるような印象があります。

 

そのあたりは、マホガニーのほうが良くも悪くも、出力次第で線形に自然にサウンドが出てくる印象です。このあたりの特性が、ジャズ系ギタリストにメイプルのギターが好まれる理由なのかなぁ、なんて感じました。もちろん、きっと作り手によってはぜんぜん違う鳴り方をさせることもできるんでしょうけど、メイプル経験の少ない僕には、まだそこまで奥深い知見を語れる知識がないですね!

 

今回実際に弾いてみて、このギターのサウンドの特徴がとてもよく出ていると感じられた動画を、ふたつ紹介しておきます。

 

まずはインスト系。ソロギターで美しい旋律を弾くのにもすごく合うと思いますよ。高音域の倍音、余韻が素晴らしいです。

 


Waterloo WL 12 wl1316

 

 

そしてもうひとつは弾き語り。僕のダイスキなAnthonyお兄さん!歌ものにもすごく合うことがよくわかると思います。・・・というか、このギター持つと、自然と歌いたくなっちゃうよ!!!

 


"Neighbors" by Adam Levy & Anthony Da Costa @ The Music Emporium

 

 

ちなみに、Collings OM-1A JLと比較して強く感じたのは、WaterlooとJLは同じ直線上に乗っている兄弟モデルだってことです。より軽やかに鳴らせるのはWaterloo、弾き手次第でさまざまなニュアンスを奥深く聞かせることができるのはCollings JL。

 

値段は店頭販売価格で倍以上違うと思いますが、正直甲乙つけがたいですよ、これ。。。

 

例えると、高級車の同一モデル、直6エンジンとV8エンジンの違いみたいな感じです。直6はスポーティーで小気味よい加速と操作性が売り。V8はゆとりがあって魔法の絨毯のようなシルキーな乗り味、でも本気出すとサーキットも走れちゃうよ。。。みたいな。

 

 

その上で、このWaterlooってギターの本当の恐ろしさは、その「小悪魔力」。

 

ネック裏やバックの風合い、普通に弾いてるだけでサテンフィニッシュのトップにヘアライン加工的な擦れ傷が比較的すぐについちゃうあたりも含めてね、、、

 

 

『あなた色に染まります♡感』

 

 

・・・がハンパないんです。

 

 

 

か、か、かわええ…♡♡♡(ぽわーん)

 

(おしまい)

 

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