ぷんギターズ Blog

ぷんギターズ【公式】のブログ。アコースティックギター、ヴィンテージギター、好きなことをぽつぽつと。ピエール・ベンスーザン、ジェイソン・ムラーズ、森山直太朗、ジュリアン・ラージが特に大好物

はじめてのNachoGuitars(⑤1954年製 Fender Telecaster vs. Nachoguitars)

(前回からの続きです)

 

レリック加工の仕上がりがあまりに素晴らしくて、ついつい見た目ばかりを話題にしてしまいますが、そろそろNachoguitarsのサウンドについて記していこうと思います。

 

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※ Nachoguitars Blackguard (2018)

使用機材は、どちらもジュリアン・ラージご愛用のツィード期 1960年製Fender Champにdivine noise cableで直結という、とても男前なセッティング。エフェクターは一切かまさず、アンプもボリュームコントロール一発ですから、これなら純粋にギター本体の比較ができますね。

…って、実はそもそも、アンプは同じFender Champの1963年製がもう1つ別にあるだけだし、エフェクターなんて今となってはStrymon FLINTしか手元に残ってない。だからこれしか試せないんですけどね。ははは。

なお、今回はボリュームを5くらいで固定して、ほぼクリーントーン〜強めに弾くと軽くクランチ…というサウンドでの比較です。

 

そしてお手本のリファレンスサウンドとしてイメージするのはもちろん、オリジナルブラックガード(1954年製)に、同じくツィード期(ナローパネル)のヴィンテージFender Champを組み合わせたこのジュリアンサウンドです。

 


Julian Lage - I'll Be Seeing You (Live in Los Angeles)

これ、PUセレクターの位置を見る限り、フロントピックアップでのサウンドだと思います。少し丸みを帯びた太くて甘いサウンドですね。

 


Julian Lage - "Nocturne" (Live In Los Angeles)

そしてこちらはたぶんフロント+リアのミックスポジションのサウンドっぽいです。なんとなく、フロント単体よりも少しエッジの立った歪みやすいサウンドになってますね。

 

さて。前置きが長くなりましたが、まずは僕のセッティングでお手本のジュリアンサウンドが再現できるのかどうかを確認する対照実験的な位置付けとして、オリジナルの1954年製 Fender Telecasterでサウンドチェックしてみます。

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左: Nachoguitars Blackguard (2018年製)

右: Fender Telecaster (1954年製)

 

なお、使用ピックはこちらもジュリアンご愛用のBlue Chip Picks。感覚的には、高域成分や倍音がやや抑えめになる代わりに、より芯が出て輪郭がはっきりしたサウンドになる傾向があると思います。

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ちなみにこのピック、弾いても弾いても全然削れたりしないので、買い置きしてある予備ピックがずっと予備のまま開封されません。めちゃめちゃ高いですけど、その分、半永久的に使えるんじゃないでしょうか。失くさない限り…。

 

・・・

 

では、まず1954年製テレキャスターのサウンド。こちらはこれまでも日頃から弾いてましたので、今回改めて驚くようなことは特にないんですが、まぁそれはもう、ほとんどそのまんまジュリアンのお手本サウンドが再現できます。個人的に、特にフロント単体やミックスポジションでの、少しダークなニュアンスのあるトーンが素晴らしくお気に入りです。

これはフロントピックアップに限らずですが、いわゆるテレキャスターらしいカリッとかパリッとしたサウンド成分の中に、なにやら絶妙にしっとりサクサクした成分も混ざっていて、トーンもハイが効いているというよりは、むしろローミッドをしっかり感じるんですよね。

 

例えるなら、『しっとりサクサクしたクリスピー入りチョコレートの表面を、ツヤのある硬質なチョコレートでコーティングしたようなサウンド』です。パリッとした表面が口の中で軽やかに砕けて、口溶けの良い上質なチョコレートとサクサクしたクリスピーが口いっぱいに…という美味しさ。

 

…ん?

えっと、なんの話でしたっけ?笑

 

 

続いて、Nachoguitarsを弾いてみます。

まずアンプラグド状態での生音で試してみると、そのサウンドバランスの良さや、ソリッドギターとは思えない生音の大きさなど、オリジナルのブラックガードに通じる特徴が感じられます。

やはりエレキと言えども、生音のニュアンスがサウンドに大きく影響しますね。実際オリジナルのブラックガードを弾いていると、生音の自然な延長線上に、アンプからのサウンドが成立しているのだなぁ…ということがとてもよくわかります。

 

では、アンプに繋いでみます。

ネックのメイプル材が効いていると思われる芯のあるパリッとしたサウンドに、ブラックガードらしい太くて甘いしっとりしたトーンが内包されています。もちろんピックアップポジションによって細かなニュアンスは異なりますが、総じてオリジナルのブラックガードにかなり近いです。さすがです。

また、単にトーンニュアンスが似ているだけでなく、右手のタッチ次第でさまざまなトーンが出せる、つまり逆を言えば、否応なしに弾き手の力量がそのままトーンニュアンスとして良くも悪くもダダ漏れになってしまうというブラックガードの手強い特徴も、Nachoguitarsにしっかり受け継がれていると感じます。このあたりは、自由自在に右手でトーンをコントロールするジュリアン・ラージが納得して使うだけのことはありますね。

 

・・・

 

実はここまで、あえて感情はこめず、贔屓目にならないよう、できるだけ淡々と書いているつもりなのですが…

とはいえ正直 、Nachoguitars、本当によくできていると思います。こうやって、同時に取っ替え引っ換え弾き比べなければわからない程度しか、オリジナルとのサウンドの違いはないんじゃないかとすら個人的には感じます。日頃オリジナルのブラックガードを弾く機会のあるプレイヤーにとっても、大満足のブラックガードレプリカですよこれ…凄いです。

 

そんな中で、あえて違いを感じる部分があるとすれば、とても表現が曖昧ではあるのですが、それはなにかしら『トーンニュアンスにダークネスを感じるかどうか』です。

なんというか、オリジナルブラックガードには独特のダークネスが感じられるんですよ。トーンが曇っているというか、陰っているというか、雑味があるというか…。蒸留されすぎていない、複雑さの残存したトーンとでも言いますか…。

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※ Fender Telecaster (1954) w/ Original case

 

このダークネスの違いが、新品とヴィンテージという経年変化による影響からくるものなのか、それともやはり60年以上前に使われていた木材や塗装、パーツ類の違いによるものなのか、はたまたピックアップ等のそれ以外の影響なのかはわかりませんが、今回の弾き比べを通じて感じた大きな違いは、この『ダークネス』でした。オリジナルにはなにやら暗い部分を感じるんですよ。

ネクラな僕が、やけにオリジナルのブラックガードサウンドに魅力されてしまう理由が、なんとなくわかったような気がします…。ボク、暗いので…笑

 

さて。今回はこのくらいにして…

次回は、幸運にも手に入れることのできた幻のピックアップ “Ron Ellis Pickups” をNachoguitarsに搭載して、試してみたいと思います。

ただし、Pickup交換やメンテナンス作業等の関係で、1〜2ヶ月の間が空いてしまうと思いますので、あしからず。

 

しばし待たれよ!

 

(続く…)

 

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